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資本金の額の決め方
新会社法の施行により資本金の額は1円からでもよくなりました。
資本金の下限制限が撤廃されたので資本金はいくらでもよくなりましたが、それでは、いくらが適当なのか悩む人は多いのではないでしょうか。
適当な金額としては、事業を起こし続けるのに最低限必要な額ということになるでしょう。
それが1000万円なら資本金も1000万円必要になると思います。
まずは自分が始めようとする事業では最初に売り上げが出てそれを回収できるまでどのくらいの期間がかかるのかを知る必要があります。
事業を始めて最終的に売り上げ金を回収できるまでに3ヶ月かかるのなら、3ヶ月間は収入がゼロということになります。
しかし、その間にも経費はかかります。
3ヶ月間にかかる広告費・宣伝費・従業員へ払う給料や日常の経費・事務所の家賃・リース料・光熱費などです。
この経費にかかる分のお金を資本金や借入金から充当しなければいけません。
ですので、初めにこの分にかかるお金がいくらなのか計算して、資本金をきめなければなりません。
この間にかかるお金が100万円ならば資本金は確実に100万円以上にしなければなりません。
また、会社設立当初は売り上げも不安定で必ずしも自分が思い描いたとおりに事業が進んでいくともかぎりません。
この分を見込んである程度余裕のある資金繰りを常に考え会社経営をしていく必要があるでしょう。
3ヶ月間の運転資金が100万円で事業が軌道にのるまでにかかる必要な資金が50万円ならば150万円の資本金でスタートする方がよいでしょう。
そのことも考えると多少資本金も余裕を持って設定できるようにしたいところです。
会社の資金がショートしないように慎重に決めることが大事でしょう。
会社にとって資本とは生命線です。1ヶ月分の家賃や従業員の給料が払えなくてつぶれてしまう会社はたくさんあるのですから資本金や借入金の設定には慎重さが大事だと思います。
また、株主への利益配当を確実に実施したいのであれば資本金は300万円以上にしておく必要もありますので資本金の額の決め方はいろいろな要素がからんでくると思います。
将来を見込んで資本金の額を決めよう
会社設立当初はその事業を行うのに最低限必要な額を資本金としても良いですが、将来的に事業を拡大して会社を大きくしていこうと思っていたら、やはり初めからある程度の金額を資本金に設定しておく必要があるでしょう。
なぜなら、会社設立当初、定款に発行可能株式総数というのを記載します。
この発行可能株式総数というのは、会社が発行することのできる株式の最大数です。
仮に発行可能株式総数が100株であって設立当初30株しか発行していなければ残り70株まで株式を発行できるということです。
もし、100株以上多く発行したければ定款を変更する必要があります。
ただし、定款で株式の譲渡制限をした会社の発行可能株式総数は、発行済み株式の4倍までという規則があります。
つまり、設立当初30株しか発行していなければ最大で120株までしか発行できないということです。
1株5万円として、150万円の資本金でスタートしたら、600万円までしか増資つまり資本金を増やすことができないのです。
ですから、将来急速な事業の拡大を見込んでいるのであればあらかじめ高い金額の資本金で会社を設立するのが適切でしょう。
なお、資本金を使わずにいる人がたまにいますが事業の開始・発展のために積極的に使って経営や事業展開を考える方が会社のためには良いでしょう。
出資を受ける場合の資本金の額の決め方
資本金を創業者の資金だけでなく出資にたよる場合があると思います。
出資は融資(借り入れ)と異なり原則返済する必要がないので非常に便利な方法かと思います。
ただ、出資を受けるといことは自分以外の他人に会社の一部を握られることにもなるので注意が必要です。
特に注意が必要なのが自分と他者との持ち株比率です。
自分(創業者)の比率が60%で他者が40%であればその会社の実権は自分にあると思ってよいでしょう。
しかし、これが逆に自分が40%で他者(特に特定の誰か)が60%になれば、会社は他人のものも同然です。
この出資比率で会社を設立することは大変危険ですし、やめた方がよいでしょう。
将来事業が軌道にのったら会社を乗っ取られる可能性もあります。
そういうときは、出資希望者から資金の一部を融資のかたちで出してもらうか、株式に議決権の制限をかけるかなどなにか手を打っておくと良いでしょう。
また、出資比率とは関係なしに議決権の割合を決めることができる合同会社を設立するなどの方法もあります。
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